RAG
Retrieval-Augmented Generation · 検索拡張生成
必要な資料を検索し、その内容を手がかりにモデルが回答する仕組みです。試験で資料を参照できるようにするイメージです。
この技術を一言で説明すると
必要な資料を検索し、その内容を手がかりにモデルが回答する仕組みです。試験で資料を参照できるようにするイメージです。
なぜこの技術が必要なのか
モデルの重みに含まれない新しい情報や社内情報を扱い、回答の出典を示す必要があります。文書を更新するたびにモデル全体を再学習する方法は、運用に合わない場合があります。
従来は何が問題だったのか
モデルに記憶させた情報だけでは、知識を細かく修正したり、どこから答えが来たかを示したりするのが難しくなります。資料をすべて入力する方法にも長さ・関連性の限界があります。
技術の仕組み
原論文は、検索器と生成器を組み合わせ、モデルのパラメータ内の知識と外部の文書集合を利用しました。現在の一般的な実装説明では、文書分割、索引作成、検索、必要に応じた再順位付け、回答生成に分けられます。これらすべてを原論文が規定しているわけではありません。
具体的な使用例
社内規程を検索して休暇制度を説明する場合、文書の版と施行日を渡します。該当条項が見つからないときは「資料から確認できない」と返す経路も必要です。文書へアクセスする権限を検索段階で適用します。
類似技術との違い
| 観点 | Fine-tuning | RAG |
|---|---|---|
| 主な目的 | 振る舞い・タスクへの適応 | 外部の根拠を参照 |
| 仕組み | パラメータを更新 | 検索結果を生成に使用 |
| 更新単位 | 学習データとモデル | 文書と索引 |
| 適用場面 | 形式や専門タスクの調整 | 更新される知識・社内文書 |
| 利点 | 毎回大量の見本を渡さずに適応 | 根拠を提示しやすい |
| 弱点 | 知識更新と出典提示が難しい | 検索失敗と誤った引用 |
| 実装負担 | 学習と評価の管理 | 検索、権限、索引更新 |
| 資源 | 学習用の計算が必要 | 検索と入力トークンの処理 |
| 両者は併用できます。RAGを付ければ必ず正確になるわけではありません。 |
メリット・デメリット
知識更新とモデル更新を分離しやすい点が利点です。一方、検索で誤った資料を選ぶ、古い版を参照する、資料にない結論を生成する、といった失敗があります。検索と生成を別々に評価します。
実装方法
まず少数の文書と正解根拠付き質問を用意します。全文検索の簡単な基準系と比較し、必要なら埋め込み検索を追加します。評価は「正しい文書を取得したか」と「取得文書に忠実か」を分けます。外部資料中の指示は実行命令として扱いません。
最新動向
AnthropicのContext Engineering記事は、事前の検索と、必要時にエージェントが情報を取りに行く設計の併用を説明しています。RAGを単発の検索だけで捉えず、いつ何を入力へ入れるかという設計の一部として見ると整理できます。
関連技術の地図
矢印はこの技術から見た関係です。上下関係や優劣を意味しません。
- RAG 比較対象重みを変える適応と検索による情報提供SFT
- RAG 構成要素入力へ渡す根拠を選ぶ手段Context Engineering
- RAG 併用必要に応じて検索を行うAI Agent
関連するAIニュース日報
確認済みの関連日報はまだありません。
参考文献・公式情報
- Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks
パラメトリック/非パラメトリック記憶を組み合わせる検索拡張生成。
- Effective context engineering for AI agents
入力全体の選別、必要時の検索、compaction、構造化メモ、prompt engineeringとの区別。
最終確認日
2026-10-12。出典で確認できた範囲を記載しています。「最新動向」は確認資料の更新内容であり、分野全体の網羅や最新順位を保証するものではありません。